高度な獣医医療を目指して 愛知県 一宮市の動物病院 ふるはし動物病院 | 経歴・学会発表

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高度な獣医医療を目指して


 以前にもふるはし動物病院通信で掲載したように、現在当院は地域の中核医療を担う病院を目指しています。特に外科関係では年間1,200例を超える手術を行い、多くのペットに対して治療効果をあげています。今回はふるはし動物病院が今後目指していく病院の方向性についてお話したいと思います。難しい内容ですのでよくわからないかもしれませんが一度読んでください。

1.診断をして治療する
 現在の獣医療は、病気の診断をしてから治療という方法です。数年前まではとりあえず仮診断をして薬などの反応をみながら効果がなければ検査していくという方法が一般的でした。また病気もフィラリア症やジステンパーなど症状が明らかなものが多く診断も容易でした。しかし現在は飼育環境もよくなり、ペットに対する意識も向上していることから、ペットの高齢化が進むに連れて病気も複雑なものになってきました。そこで確実な診断をして治療することが重要で、それをペットオーナー様にインフォームドコンセント(説明と同意の義務)をとることが大切であり、そのためにはしっかりした診断のための設備が必要になってきます。
 当院においては、特に画像診断と病理診断に力を入れています。画像診断とはレントゲン検査、超音波検査、内視鏡検査、CT検査などで体内の病変部を画像化して診断していくことです。デジタル化が進んでいるため画像もきれいになり多くの情報を整理できるシステムもできてきました。病理診断は画像診断した病変部から直接組織をとってきて、染色したものを調べることです。大学の獣医病理学の先生や動物専門の検査センターに依頼しています。現在腫瘍の発生が多くなってきていることから、病理診断は悪性、良性の判断や予後を知る上で大切な分野です。

2.外科の技術のレベルアップを目指す
 当院の外科手術件数は年々増加して、1,200例以上のペット達がいろいろな手術を受けています。特に骨折、脱臼、椎間板ヘルニアなどを治療する整形外科は他の病院からの依頼手術や遠方からの患者さんが来院されます。複雑な手術は洗練されたテクニックと術後のケアが大切なためしっかりしたスタッフが必要になってきます。毎日避妊去勢手術に加え、歯科治療、腫瘍の摘出、整形外科などで午後の休診時間は手術でいっぱいでスタッフがそのために忙しく働いています。
 私は外科を中心に勉強しており、特に整形外科に関しては多くの症例を経験させていただきました。整形外科は命にかかわる病気ではありませんが、痛みやビッコなどの機能障害により日常生活が損なわれます。動けなかったペット達が手術によって元気に走れる姿を見るのが、獣医師として至福の喜びを感じます。

3.エビデンスに基づいた治療とは?

 EBMという単語が人の医療では大切なキーワードになっています。まったく聞きなれないと思いますが実は治療を受ける患者さんにとってはすごく重要なことなのです。EBM(Evidence-Baced Medicine)、エビデンスに基づいた医療とは?わかりやすく言うと科学的根拠に基づいて治療を行いましょうと言うことです。例えば「避妊手術すると寿命が短い」とか、「一度赤ちゃんを産んでから避妊手術したほうが長生きだ」こんな話聞いたことあると思いますが、実はアメリカでこのことに関して数千頭の研究をしたところ、まったく逆の結果がわかりました。現在のエビデンスは、発情期前に避妊手術をすれば乳癌の発生率は0%であり、していない子よりも寿命が長いというデーターが出ています。このように多くの病気についていろいろな治療法がありますが、昔ながらの根拠の乏しい経験的な治療ではなく、多くのデーターが裏付けるしっかりした治療法を選択することが大切になってきました。獣医学においては腫瘍、アトピー性皮膚炎、糖尿病、心臓、腎臓疾患などでは多くの病気でEBMが確立されてきました。インターネットが普及した今では、オーナー様がいろいろな情報を持ってこられ、我々に相談をすることがありますが、中にはエビデンスの乏しいものもあります。現在当院でもいろいろな研究会、セミナー、学会や文献でエビデンスを集め検討し、ペットオーナー様にも情報として提供しています。

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