メカニズム
貧血は血液中の赤血球数やヘモグロビン濃度が減少した状態を言います。
正常な動物では骨髄での赤血球の生産と老化した赤血球がバランスよく保たれているのが崩れた状態で貧血となります。
貧血の病気
再生性
貧血
非再生性
貧血
末梢血(破砕赤血球の混在)
大型の赤芽球
異型性の赤芽球
リンパ性白血病(末梢血)
骨髄像(弱拡大)
骨髄像(強拡大)
貧血の検査
完全血球検査(CBC)は特別な器械で赤血球数、ヘモグロビン、血球容積(Ht)、赤血球指数(MCV、MCHC、MCH)、網状赤血球数、白血球数、血小板数を測定します。
血液塗抹を作成し染色した後、形態学的解釈を行う。赤血球の形態、大きさ、赤血球内の寄生虫の有無を調べます。また赤血球以外の細胞(好中球、リンパ球、単球、好酸球、血小板)も観察します。
肝機能、腎機能、脂質異常、電解質、炎症タンパク(CRP、SAA)ホルモン検査などで貧血を起こす原因を調べます。
上記の検査で原因が明らかにできない血球減少症や増加症が見られた場合、血液塗抹に形態異常な血球が見られた場合は骨髄検査を行います。上腕骨や大腿骨、骨盤に太い針を刺して骨髄液を吸引します。痛みを伴うため鎮静や全身麻酔が必要です。吸引した骨髄液は直ちに塗抹標本を作製して細胞形態を観察します。細胞数や細胞分化、異常細胞の有無も観察して貧血の原因を調べます。
骨髄検査(猫の上腕骨)
骨髄所見(赤血球系過形成)
治療
貧血に効く特効薬はありません。必ず原因を突き止めることが重要です。診断した病気に対しての治療は以下のようになります。
原因疾患の治療
非再生貧血の場合は必ず原因を探す
輸血
生死にかかわる場合は必要
免疫介在性溶血性貧血
ステロイドホルモン、免疫抑制剤、γグロブリン
腎性貧血
エリスロポエチン
鉄欠乏性貧血
鉄剤、ビタミンB6、B12
造血系腫瘍(白血病、リンパ腫)
抗がん剤
交通アクセス: 尾張一宮方面より車で約5分
© 2020 Furuhashi pet clinic